第29回「エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術」シンポジウム

ご挨拶

Mate 2023 組織委員会
委員長 加柴 良裕

 Mate2023は3年ぶりにパシフィコ横浜にて対面形式での開催となります。新型コロナウイルス感染症の脅威が去ったわけではありませんが、安全・安心を優先しつつウィズコロナの道を探っていきたいと思います。本シンポジウムは皆様のご協力の下、29回目を迎えることができました。国内最大規模のマイクロ接合・実装関連の学術会議として関係者の中で定着しており、今後とも最新の情報を発信するとともにお互いに議論および情報交換をする場を提供し、次の時代の技術を先取りできる充実した内容としていきます。

 さて、日本のエレクトロニクス産業においては、IoT・AIによる生産性や品質の向上から超高速・大容量情報(5G)の活用による自動運転や遠隔医療等まで社会全体に影響を及ぼす技術が加速度的に進んでいます。また、コンピュータの処理速度やデータ管理量の増大によって、情報の価値が大きく変化しています。さらには、近年の半導体不足によって、半導体が私たちの暮らしに直結しており、半導体無しではエレクトロニクス製品が作れないことも再認識されたと思います。一方、地球温暖化防止のため、脱炭素化に向けて技術革新が進んでいます。特に、EV(Electric Vehicle)におきましては、米国カリフォルニアの新ZEV規制が発表され、さらにEV化が加速していくものと思われます。これらの技術やシステムのコアとなるマイクロ接合・実装技術について、今まで以上の変革と総合力によって、世界の技術をリードしていきたいと思います。

今回は、「未来に向けたコアテクノロジ―」をメインテーマとし、81件のマイクロ接合・実装技術の最新技術や動向について発表が行われます。また、プレナリーセッションでは、国際技術ジャーナリストの津田建二氏、熊本大学の青柳昌宏氏をお招きして世界の半導体と日本のとるべき戦略ついて、それぞれの視点からご講演をいただきます。今後のエレクトロニクス産業や社会を考える機会、研究開発の手がかりとしていただければ幸いです。

最後になりましたが、本シンポジウムの開催にあたり、コロナ禍の中でご支援・ご協力をいただいた組織委員、実行委員、事務局の各位、ならびに共催団体各位に謝意を表するとともに、論文をご投稿いただいた皆様に御礼申し上げます。